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9月18日 世界で初めて組織的に視覚障害者教育が始まった日

 9月18日は世界で初めて組織的に視覚障害者教育が始まった日。江戸時代の全盲の鍼灸師・杉山和一検校は、無痛で正確に鍼を刺すことができる画期的な治療法「管鍼術(かんしんじゅつ)」を考案、これを視覚障害者に伝えるため私塾を開いた。その私塾が天和2(1682)年9月18日(旧暦)に幕府公認となったのを機に名称を「鍼治講習所」と改め、ここから組織的な視覚障害教育が始まり、明治時代の盲学校設立後の職業教育につながっていく。この功績を称え、後世へと伝えていくための記念日。

 公益財団法人 杉山検校遺徳顕彰会が制定し、日本記念日協会が認定した。

 日付は、幕府公認となった日(9月18日(旧暦))にちなんで、9月18日とした。

 「鍼治講習所」は世界初と認識されていた1784年のフランスの盲人教育所開設よりも100年余り早い。

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 視覚障害者教育は、視覚に障害がある生徒が学習を効果的に進められるよう、特別な支援や工夫を取り入れた教育方法です。視覚障害者には、全盲の方もいれば弱視の方もおり、それぞれのニーズに応じた教育が求められます。点字や音声教材、拡大鏡、スクリーンリーダーなどの補助技術が活用されることが一般的です。これらの技術を駆使することで、視覚障害者も一般の生徒と同様に学習の機会を得ることができます。

 視覚障害者教育の目標は、学問的な知識を身につけるだけでなく、社会で自立するためのスキルを養うことです。そのためには、学習環境の整備や適切な支援が不可欠です。専門の教師や支援員が個々のニーズに合わせて指導を行い、必要な技術やスキルを身につけさせることが重要です。これにより、視覚障害者も自立して生活し、社会で活躍できるようになります。

 また、視覚障害者のための特別支援学校や特別支援学級が存在し、ここでは専門的なカリキュラムが提供されます。これらの教育機関では、視覚障害者が日常生活で必要とするスキルや、職業訓練なども行われています。さらに、インクルーシブ教育の推進により、一般の学校でも視覚障害者が共に学ぶことができる環境づくりが進められています。

 視覚障害者教育は、多くの人々の理解と協力が不可欠です。視覚障害者が直面する困難を理解し、適切な支援を提供することで、彼らの学びと成長を支援することができます。これにより、視覚障害者も社会の一員として、充実した人生を送ることができるのです。

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