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6月2日 日本重症筋無力症の日

 6月2日は日本重症筋無力症の日 。記念日を通じて重症筋無力症についての理解を社会に広げるのが目的。

 京都府京都市に事務局を置く、厚生労働省より難病指定を受けている重症筋無力症(Myasthenia Gravis・略称:MG)の患者・家族で組織する全国組織の一般社団法人 全国筋無力症友の会が制定し、日本記念日協会が認定した。

 日付は、ヨーロッパで制定された「欧州重症筋無力症の日」と同じ、6月2日とした。

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 重症筋無力症(Myasthenia Gravis、MG)は、自己免疫性の疾患で、主に末梢神経と筋肉の接合部、つまり神経筋接合部で異常が起こることによって特徴づけられます。この病気では、通常神経信号を筋肉へと伝達する役割を担うアセチルコリンリセプターが自己抗体によって攻撃され、筋肉の収縮機能が低下します。その結果、筋肉の弱さや易疲労性が顕著に現れ、特に使用後に筋力が低下し、休息によって一時的に回復するという特徴があります。

 重症筋無力症の症状は、患者によって異なりますが、主に眼瞼下垂(まぶたの下垂)や複視(物が二重に見える)などの眼の周りの筋肉の弱さから始まることが多いです。さらに進行すると、話す、嚥下する、表情を作るといった顔周りの筋肉や、歩行や物を持つなどの日常活動に必要な四肢の筋力が低下します。最も重篤な状態では、呼吸筋が影響を受け、呼吸困難を引き起こすこともあります。

 診断は臨床症状の評価、抗アセチルコリンリセプター抗体の検出、筋電図などの神経生理学的検査によって行われます。治療には、抗コリンエステラーゼ薬、免疫抑制薬、ステロイド、場合によってはサイクロスポリンやリツキシマブなどの生物学的製剤が用いられます。症状が特に重い場合や急速に進行する場合には、血漿交換や免疫グロブリンの静脈内投与が行われることもあります。

 重症筋無力症の患者さんは、症状による身体的な制限だけでなく、社会的な課題にも直面しています。症状が周囲に理解されにくいため、就労や社会参加が難しくなることがあります。このため、病気の知識を広めることや、患者さんが社会生活を送る上でのサポートが重要です。また、患者さんとその家族に対する心理的な支援も不可欠であり、症状の管理と共に、全体的な生活の質の向上を目指す必要があります。

記念日とかいろいろ

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